ドナウ河サイクリング・ロード:アウ、ドナウ河の蛇行

7月6日 (アムステルダム出発から、47日目) アムステルダムを出発して、ロッテルダムで、ライン河口に出ました。そこから、ライン河の流れをさかのぼって、オランダ、ドイツ、フランス、スイスと、走ってきました。
ボーデン湖で、また、ドイツに入って、ドナウ源流を訪ねました。
そこから、ドナウ河を下って、ドイツを走ってきました。そのドイツも、きょうが、おしまいです。これから、オーストリアに入って、ドナウ河を下って行きます。

midexitiぶらちすらば
オーストリアのドナウ河(岩波新書「ドナウ河紀行」より)。
パッサウで、ドイツを出て、オーストリアに入ります。それから、ドナウの蛇行、リンツ、グライン、メルク、ヴァッハウ渓谷、クレムス、首都ウイーンなどを通ります。オーストリア最後の町、ハインブルクを出ると、スロヴァキアの首都、ブラチスラバは、すぐです。パッサウから、ウイーンまで、320キロあります。

2008europecycling3+137_convert_20110123171059.jpg
パッサウのキャンプ場で、ポーランド人のWさんと、ドイツ人4人組に、別れのあいさつをして、出発しました。知らない土地で、友達ができるのは、気持ちのいいものです。自転車の場合は、シクロツーリング(自転車旅行)好きという共通点があるので、すぐ知り合いになることができます。
ドナウ河左岸のサイクリング・ロードから、ドナウ河とイル河の合流点、パッサウの先端を振り返ります。向こう側から、流れて来るのが、イル河で、濁っています。河の色が、4,5キロ、交わらずに、流れて行きます。こちらの岸は、まだ、ドイツですが、向こう岸は、もう、オーストリアです。

20103+034_convert_20110131091713.jpg
パッサウを出て、すぐのドナウ河は、イザという名前の、水の精の故郷らしく、走っていて、川岸に人魚の像をいくつか、見かけました。

20103+036_convert_20110131092411.jpg
オーストリア国境から1キロ手前の、ヨッヘンシュタインフェルゼンのサイクリング休憩所。水力発電所があります。ここに、インフォメーション(i)があって、オーストリア・ドナウ・サイクリング・ロードのガイドブック(地図・ホテルなどを記載・無料)を貰えます。

2008europecycling3+141_convert_20110123171931.jpg
サイクリング・ロードの、ドイツ・オーストリア国境。手前が、オーストリアです。

2008europecycling3+001_convert_20110125151629.jpg
ドナウ河が180度蛇行しているシュレーゲンの渡し船乗り場。切符を売っているおじさんが、真っ黒に日焼けしていました。どちらが黒いか、並んでみましたが、とても、及びませんでした。

2008europecycling3+143_convert_20110123174043.jpg
渡し船の乗り場。この少し手前、シュレーゲンという所で、ドナウ河は、ヘアピン・カーブを描いて、180度、方向転換しています。ここ、アウで、左岸のサイクリング・ロードは行き止まりです。先を続けるには、ここで、渡し船に乗ります。

2005+Europe+476_convert_20110123174734.jpg
アウのキャンプ場 Zur Faehrfrau Au。一人一泊:4ユーロ。きょうは、37キロしか走っていませんが、私は、ここで、のんびり景色を楽しむことにします。緑色のテントが、私のものです。キャンプ場の場所としては、ベストの部類に入ります。余りにも、美しい景色と静かな雰囲気に驚きました!しかし、トイレ・シャワーの設備が、古くて、余り清潔でないのが、難点です(2008年時点)。アムステルダムからの累計:2,420キロ。

2005+Europe+487_convert_20110123175238.jpg
丘の上から見た、キャンプ場とドナウ河。テントの数が、だんだん増えてきました。

2005+Europe+475_convert_20110123175627.jpg
モストとサンドイッチ。丘の上には、キャンプ場を経営している農家と、泊まれる宿もあります。ベンチを並べて、モストという酒と、つまみのようなものを、飲食できるようにもなっています。お客さんを見ていると、私のような長距離旅行者ではありません。パッサウから日帰りサイクリングで来て、ここで休憩してから、帰るという感じです。ビールを飲みたかったのですが、そんなものは、ない、というような返事です。仕方なく、モスト(写真)を飲んでみました。気の抜けたワインのような味がしました。私が、いやいやモストを頼んだものだから、周りの、たくさんのお客さんが、私がモストを飲むのを注目しています。「おいしくないですか?」と笑って質問されました。外交辞令で、「おいしいです。」と答えます。日本に帰ってきてから、モストについて、調べてみました。9月に摘み取られる、早生の品種のブドウが、摘み取られて、果汁となったものが、モストと呼ばれます。これを、一か月寝かせると、濁り酒になります。これを、シュトルムといいます。これを、1,2か月寝かせると、辛口の白ワイン、ホイリゲとなるそうです。

2008europecycling3+144_convert_20110124091359.jpg
キャンプ場を経営している農家は、渡し船も経営しています。渡し船の料金表です。上には、サイクリング・ロードの標識、左には、店の案内があります。「モスト、軽食、部屋、キャンプ場」と書いてあります。

2005+Europe+478_convert_20110124093450.jpg
渡し船は、サイクリストを運びます。

2005+Europe+477_convert_20110124092959.jpg
キャンプ場の前を、観光船が通って行きます。

2005+Europe+486_convert_20110124094016.jpg
煌煌と灯かりをともしてゆく、夜の観光船は、幻想的です。
スポンサーサイト

アシャッハのスーパーマーケット

7月7日(アムステルダムを出発してから、48日目) アウから、ヴィルへーリングまで。
DSC00041_convert_20110123163455.jpg
ヴィルへーリングは、アウとリンツの間にあります。

2005+Europe+485_convert_20110124131251.jpg
素晴らしいキャンプ場を後にして、渡し船に乗ります。ドナウ左岸のサイクリング・ロードは、ここで行き止まりになっています。そのため、右岸に渡ります。

2005+Europe+484_convert_20110124131623.jpg
おやっ!?船を操縦しているお兄さんは、どこかで見た顔です。夕べ、キャンプ場の農家で、モストをテーブルに運んでくれていた、お兄さんです。これで、農家とキャンプ場と渡し船が、同じ経営だと分かりました。

2008europecycling3+145_convert_20110124132145.jpg
ドナウ右岸のサイクリング・ロード。グラインの先まで、ずっと、こんな道が続きます。

2008europecycling3+148_convert_20110124133105.jpg
パッサウ・ウイーン間は、人気のある観光コースなので、観光船も頻繁に通います。

2008europecycling3+146_convert_20110124133430.jpg
カヌーも通ります。かなりの荷物を積んでいます。黒海までも行くのでしょうか?

2008europecycling3+150_convert_20110124133845.jpg
アシャッハという町のスーパーで買い物をしました。出てきたら、パッサウのキャンプ場で一緒だった、ポーランド人一行に出会いました。写真中央の、黒に赤の服を着ているのが、Wさん。
雨が降ってきました。私は、早々と、ヴィルへーリングという町の郊外に泊まることにしました。小さなキャンプ場で、一人一泊:3ユーロ。きょうの走行距離:42キロ。アムステルダムからの累計:2,462キロ。
きょう、走ってきたドナウ河畔に、身の毛がよだつような記念碑がありました。1940年から44年にかけて(第二次大戦中)、その辺で、主に身体障碍者など、3万人が、ナチス・ドイツによって、安楽死活動という名目で殺されたそうです。

リンツのハウプト広場

7月8日(アムステルダム出発から、49日目)ヴィルへーリングから、リンツに向かいます。
150506c.jpg
オーストリアのドナウ河

2008europecycling3+151_convert_20110125153127.jpg
レストランで、昼食を食べていたら、なんと!また、ポーランド人の一行が入ってきました。二度目の奇遇に、みんな、びっくりです。Wさんとは、写真の通り、旧友のようになりました。

2008europecycling3+156_convert_20110125153845.jpg
2008europecycling3+158_convert_20110125154527.jpg
リンツへ渡る、ニーベルンゲン橋の下で、カーリングのようなものを、やっていました。見ていると、おじさんが、いろいろ説明してくれました。が、よく、わかりません。

2008europecycling3+162_convert_20110125160632.jpg
ドナウ左岸のサイクリング・ロードを走ってきました。リンツの町はドナウ右岸にあります。左岸は、広大な公園になっています。リンツ市民の憩いの場という感じです。その中に、プレシンガー湖というのがあって、湖水浴場になっています。キャンプ場 Campingplatz Pleschingersee は、その湖のそばにあります。写真で、キャンプ場の向こうに、プレシンガー湖が見えます。天気が、よくないので、人がいません。中央一番奥の緑色のテントが、私のものです。ひとり一泊:8ユーロ。テントを張って、リンツの町の見物にでかけました。

2008europecycling3 161

2008europecycling3+159_convert_20110125160031.jpg
二枚の写真は、リンツのハウプト広場という町の中心街。ドナウ左岸から、ニーベルンゲン橋を渡って、すぐのところにあります。下の写真は、通りで、チェスをやっています。
きょうは、34キロ走りました。しかし、キャンプ場とリンツの往復で、10キロ位走っているので、移動は24キロ程でしょう。アムステルダムからの累計:2,496キロ。

マウトハウゼン強制収容所

7月9日 アムステルダム出発から、50日が経ちました。アムステルダム出発は、もう、遠い昔という感じになりました。時間的には、50日、距離的には、2,500キロ、流離(さすら)って来ました。
きょうは、リンツ(プレッシンガーゼ―・キャンプ場)から、マウトハウゼン近くの、アウまで行く予定です。アウは、「河原の草地」という意味です。この地名は、河沿いに、たくさんあって、7月6日に泊まった場所も、同じ名前です。
DSC00041_convert_20110123163455.jpg
マウトハウゼンは、リンツとグラインの間にあります。

2008europecycling3 172
マウトハウゼンの町を通って、アウのキャンプ場に着きました。きょうは、マウトハウゼン強制収容所跡を見学したいので、まだ、20キロくらいしか、走っていませんが、早々とテントを張ります。

2008europecycling3 184
キャンプ場は、土手のサイクリング・ロードから、下りてきた綺麗な場所にあります。湖があって、鱒(マス)が泳いでいます。

2008europecycling3+168_convert_20110127104158.jpg
キャンプ場に、切り株のイスが、ありました。

2008europecycling3 177
キャンプ場に荷物を置いて、マウトハウゼン強制収容所跡の見学に出かけました。片道10キロほどあるので、自転車で出かけます。また、マウトハウゼンの町に戻って、そこから、山の上まで、1キロ程、登ります。急な坂道なので、自転車を押して登ります。第二次大戦中のナチス・ドイツの強制収容所跡です。写真は、収容所の中央で、右が宿舎、左に、ガス室や手術室などの施設があります。

2008europecycling3+174_convert_20110127104507.jpg
上の敷地写真の左側は、資料の展示室にもなっています。
オーストリア人のいたナチス・ドイツ強制収容所:
1.ダッハウ
2.ブーヘンヴァルト
3.ザクセンハウゼン
4.テレ―ジエンシュタット
5.ラーヴェンスブリュック
6.アウシュヴィッツ
2008europecycling3+176_convert_20110127111039.jpg
ガス室。ガス室、手術室、トイレなどを見学していたら、冷気と昔の臭気がするようで、気持ちが悪くなってきました。

2008europecycling3+178_convert_20110127111520.jpg
外に出て、周囲の見学をしていると、高校生のグループも、歴史教育で見学に来ていました。

2008europecycling3+171_convert_20110127112052.jpg
強制収容所跡から、マウトハウゼンの町の中心に戻ってきました。この石は花崗岩です。ここは、花崗岩の産地です。よく調べていませんが、強制収容所に収容されていた人たちは、花崗岩採掘の労働をさせられていたようです。前をドナウ河が流れています。

2008europecycling3+157_convert_20110127114107.jpg
写真屋さん。マウトハウゼンの町の建物は、綺麗な浮彫の絵が描いてあります。

20103+107_convert_20110127121944.jpg
ここは、歯医者さんでしょうか。

20103+105_convert_20110127143936.jpg
猫もいます。

2008europecycling3 180
マウトハウゼンの町を見物していたら、誰かに、声をかけられました。見ると、なんと!なんと!また、ポーランド人のWさんです。三回目の奇遇です。きょう、彼ら一行は、グラインに泊まる予定ですが、友人の自転車が、パンクしたので、一行から遅れて、二人で走っているそうです。グラインは、明日、私が行く予定の町です。私のきょうのキャンプ地まで、一緒に走りました。キャンプ地のレセプションが、飲み物を売っているスタンドになっています。そこで、奇遇を喜び合っていたら、若いサイクリスト達が寄ってきました。後列、左から二人目が、Wさん。その右隣が私。前にかがんでいるのが、その友人。ほかは、スロバキアとハンガリーの青年。これ以後は、Wさんとも、もう会いませんでした。
きょうの走行距離:45キロ。アムステルダムからの累計:2,541キロ。

グラインの小劇場

7月10日(アムステルダム出発から、51日目) アウから、グラインを目指します。
DSC00041_convert_20110123163455.jpg
オーストリア・ドナウの地図。

2008europecycling3+179_convert_20110127154446.jpg
アウのキャンプ場。すっかり、気に入った景色です。

2008europecycling3+181_convert_20110127154743.jpg
アウのキャンプ場の、レセプション兼飲み物スタンドの脇に、庭があります。自転車の置物があります。左側にも、面白い置物がありました。

2008europecycling3 183
近寄ってみると、こんな置物でした。

2008europecycling3+147_convert_20110128084811.jpg
アウのキャンプ場から、ドナウ左岸を、15キロ位走ると、ミッターキルヘンという村があります。その郊外に、「ケルト人の村」という野外博物館があります。ケルト人の集落を、復元しています。

2008europecycling3+185_convert_20110127155923.jpg
ドナウ右岸から、グラインの町を望みます。グラインの手前で、橋を渡って、右岸に行きます。そして、すぐにキャンプ場がある筈ですが、ありません。また戻って、今、渡ってきた橋を、引き返します。代わりに、グラインの町のキャンプ場へ行きました。グラインは、見所も多く、キャンプ場 Campingplatz beim Hafen, Grein も質のよいものだと分かって、結果的には、このほうが、良かったと思います。ひとり一泊:9ユーロ。「人生を価値あるものにするのは、人との結びつきだ」この言葉を信条に、仕事をしていると、キャンプ場から、2010年のクリスマス・メッセージを、eメールで貰いました。

2008europecycling3+076_convert_20110127161722.jpg
橋の上から眺めた、グラインの町。

2008europecycling3+188_convert_20110127162743.jpg
グラインの小劇場。旧市庁舎の中に、小さな劇場があります。観客席の横に、カーテンで仕切られた、トイレがあります。また、牢屋が、劇場の隣にあって、壁に穴があいています。その穴から、囚人が演劇を見られるようになっています。

2008europecycling3+160_convert_20110201095257.jpg
観客席の横のトイレ

2008europecycling3+173_convert_20110127163445.jpg
小劇場の隣の家の中庭。

2008europecycling3+068_convert_20110127170608.jpg
グラインの港に停泊する長距離観光船。夜の9時ころです。寝室が付いていて、客は、ここに寝泊りします。
きょうの走行距離:42キロ。アムステルダムからの累計:2,583キロ。