(65)ルーマニア国境のパスポート・コントロール

From the North Sea to the Black Sea
Part Four: Danube cycling road
(65)Passport control at Romanian border

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青い線がドナウ川、緑の線が国境です。
SRB:セルビア
R:ルーマニア
BC: ベラ・ツルクバ(セルビ)
BA: バジアシュ Bazias(ルーマニア)

セルビア国境のパスポート・コントロールは簡単に通り、ルーマニアに入るパスポート・コントロールの番です。係官が、三人(うち一人は女性の美人係官)いて、どこから来て、どこへ行くのかという当たり前の質問をしたあと、どうしてこんなことをしているのかという、雑談になりました。泊まる場所は、テントではなく、ホテルに泊まった方がいいだろうなどと、アドバイスもしてくれます。20分くらい、立ち話をしました。
空港と同じように、パスポート・コントロールと荷物検査が別になっていて、もうひとり、別の係官がいて、これは何も調べずに、
「行っていいよ」
という仕草です。
私がいる時は、通る車もなく、のんびりしたものでした。
パスポート・コントロールからの出て行く方向が、わかりずらいために、どっちの方向へ行ったらよいのか、私の地図(bikeline)を見せながら、美人係官に尋ねました。彼女は地図を手に取って、右に回したり、逆さにしたりして、考えています。どうやら地図が読めないらしくて、結局は、荷物検査のおじさんに地図を渡して、
「どう行けばいいの?」
と聞いているようです。
荷物検査のおじさんは、
「ここを真っ直ぐに行けば、橋がある。それを渡らない方の道を行けばよい。」
と、教えてくれました。

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ベラ・ツルクバ、バジアシュ付近拡大図。
紫の線が国境線。
△が、宿泊したベラ・ツルクバのキャンプ場。
PC:セルビア・ルーマニア国境パスポート・コントロール
B:バジアシュ

ルーマニアのパスポート・コントロール(地図のPC)を過ぎて、南下し、すぐに出てくる二股の道が、荷物検査のおじさんが教えてくれた道です。地図の緑の道の入り口に橋があります。この緑の道を行ったほうが、ずっと近道なのですが、bikelineによれば、アップダウンが激しいために、普通の人には、赤い道(主コース)を行くことを勧めています。そのために、上掲の地図(ユーロヴェロ6公式地図)でも、緑色表示(副コースの意味)となっています。

その赤い線のコースを、20kmほど、戻るようなかたちで、ドナウ川に向かいます。
荒涼とした風景が続きます。

その途中、ルーマニア第一日目に、早速、二匹の野犬に追いかけられました。すぐに、野犬撃退音波発信器を取り出して、後方に向け発射しました。犬の吠え声はすぐにやみ、追うのをあきらめた様子です。効果大と確認されました。

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そうこうしているうちに、サイクリング・ルートは、ドナウ川にぶつかります。上掲地図を見て分かるように、この辺り、ドナウ川の流れが広がっています。

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今まで、見たドナウ川のうちでも、一番大きく広く、まるで、海のようです。

つづく
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(66)ルーマニアのサイクリング・ロードとは?

From the North Sea to the Black Sea
Part Four: Danube cycling road
(66)What is the cycling roads in Romania?

これまで走ってきた、ヨーロッパのサイクリング・ロードといっても、いろいろあります。道の形態別に分けると、次のようなものになるでしょう。

a. 車の入って来られないサイクリングのみのために作られた専用道路(歩行者はOK)
b. 車道と並行しているが、芝生等で分離されている自転車専用道路
c. 車道と白線だけ(たまに防御柵)で区別されている自転車道路。
d. 車と同じところを走る道路で、サイクリング・ルートとして指定されている道路

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ユーロヴェロ6のロゴマーク。

ドナウ川サイクリング・ロード(または、ユーロヴェロ6)という場合、上記の、いろいろな道路を繋ぎ合わせ、サイクリング・コースとして指定して、大体それに見合った標識で案内してあるものをいいます。従って、サイクリング・ロードと言うと、サイクリング専用道路と誤解を招きかねないので、ドナウ川サイクリング・ロード全体を差すときには、ドナウ川サイクリング・コースとでも言ったほうが、感じが出て、よいと思います。(私は、できるだけ、全体のことを言うときは、サイクリング・コース、専用道路の場合は、サイクリング・ロードと区別するように心がけています。)

今までは、こういう概念が、一般的でした。しかし、ルーマニアに入ってからは、事情が変わります。(ブカレスト市内など例外はあります。)
1.まず、ドナウ川サイクリング・ルートでも、ユーロヴェロ6でも、サイクリング専用道路というものが、ありません。すべて、車と一緒に走る一般道です。
2.更に、ドナウ川サイクリング・ロードでも、ユーロヴェロ6でも、その標識がありません。

DSC02353ユーロヴェロ6全行程
ユーロヴェロ6全行程。大西洋から黒海まで。

ユーロヴェロ6公式地図には、
「東欧諸国の経済発展を援助し、その観光事業はドナウ川流域発展のための重要課題。そのために、サイクリング・ルート発展拡大を支援するもの」
と謳われておます。しかし、ルーマニア国内を走っていて、そういう気運の雰囲気はまったく感じられませんでした。ツーリズムそのものが、まだまだ、先の話で、サイクリング・ロードどころか、車用の一般道もまだ満足にできていないという状態です。
ちなみに、ルーマニアの高速道路は、ミシュランの2012年度版ヨーロッパ地図によれば、Pitesti-Bucarest-Cernavoda(Constanntaの近く)間、300km 程があるだけです。(これを、帰りのバスで走りましたが、未完成です。)

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ルーマニア、コンスタンツァからブカレスト間の高速道路にあるガソリン・スタンドと売店。まだ、ガソリン・スタンドや売店ができていないで、場所だけが空いている個所が半数ほどありました。
30分ほどの、バスの休憩風景。人は、皆、バスの乗客です。

上述1.の点については、大半が車の往来の少ない道で、あまり、問題はないのですが、車がかなりのスピードを出していることが多く、怖い思いをします。特に対向車がいても、自転車すれすれに追い抜いて行く場合や、対向車が追い抜きにかかり、対向車線からとび出してきて、私の自転車と正面衝突しそうな場合など、もう駄目かと思う場面があります。また、往来の激しい幹線道路を走る場合は、いつ追突されてもいいという覚悟が必要です。

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ルーマニア、ロバのいる風景。ちょっと極端な例ですが、こんなに、のんびりしています。

また、2.の標識のない点に関しては、田舎では、幹線のみが舗装されています。サイクリング・コースは、その幹線を使っています。従って、非舗装路に出なければ、ルートを辿ることができます。標識は、車用のものを見て、事は足ります。

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ルーマニアの国道3号線(?)の路傍にある道路標識。何キロメートルかおきに規則正しく出てきました。
向こうには、羊の群れ。

つづく

67 ルーマニア最初の夜、バジアシュで三美女の歓迎?

From the North Sea to the Black Sea
Part Four: Danube cycling road
67 Welcome by three beauties at the first night in Romania?

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青い線が、ドナウ川。
緑の線が、国境。
BA: バジアシュ(ルーマニア)

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ルーマニアの最初の宿、バジアシュに到着しました。女将さん(おかみ)が出迎えてくれました。宿の名前は、Pescarusul。宿代(トイレ・シャワー付き、朝食なし)は、20ユーロ(約2,000円)です。
ホテルなどの支払いは、ユーロでも、レイ(ルーマニアの通貨)でも、良いところが多く、むしろユーロのほうが喜ばれるようです。また、クレジット・カードは、店にカード支払OKのステッカーを貼っていても、現金しか受け取らないという所も、結構多くありました。
後の建物は、城の残骸?

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宿の前は、車道57号線を隔てて、ドナウ川です。まるで、海です。

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自転車は、その城の残骸のような建物に入れておきます。

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ホテルには、レストランが無いし、食べるものも買って来ませんでした。ホテルの女将さんが、どうも、あっちの方に、レストランがある、と言っているようです。そちらに、歩いてゆきました。一キロばかりゆくと、レストランがありました。ドナウ川に面した、眺めの良いレストランです。

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レストランから眺めたドナウ川。強い風が吹いています。

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きょうから飲む、ルーマニアのビール。ルーマニアのビールにも何種類かあります。また、ベルギー、オランダ、ドイツの外国産を置いてあるところも、結構ありました。
写真のものは、私の口に合わず、これ以外をできるだけ、飲んでいました。

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相変わらずのブタ肉とトマト・サラダ。

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ホテルに帰って、ホテルのテラスで飲み直し。
愛想の良いホテルの女将(おかみ)さん(中央)とその娘さん(左)、それに近所から遊びに来た(?)奥さん。三美人が、私の向かいのベンチで夕涼みをしています。言葉がまったく通じないので、たまに、顔を見合わせてニッコリするだけ。ビールも、自分で店の中へ入って行って、取ってくるようになりました。

先程のレストランもそうですが、客は、私一人だけです。

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部屋に戻る前に、ホテルの前のドナウ川を眺めに出ました。風もおさまったようです。
ドナウの日没です。もう21:00頃でしょう。

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ルーマニア最初の日も、無事終わりました。
この日は、7月16日。
アムステルダムを、5月16日に出発して、62日目。
累計走行距離、3,252km。

これからしばらく、ドナウ川沿いに走るので、きっと景色はよいでしょう。

つづく

68 「鉄のカーテン」サイクリング・ロード 

From the North Sea to the Black Sea
Part Four: Danube cycling road
68 Europe cycling road "Iron curtain"

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青い線がドナウ川。
緑の線が国境。
BA: バジアシュ
L: Liubcova

今日は、バジアシュを出発。Liubcova を目指します。

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ドナウ川の沿って、走り続けます。

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これが一本しかない街道で、このような町や村を通り抜けます。一歩横丁に入ると、道は舗装されていません。ここでも、野犬に追いかけられました。しかし、音波発信器で、撃退。大体、野犬は町のはずれにいます。町に入るときと出る時に用心が必要です。たまに、横丁から飛び出てくる時があり、不意をつかれます。

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ハスのような葉の繁るドナウ川。大きくて、私の頭の中にある、川のイメージを広げなければなりません。

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ドナウ川は、右から左へと流れています(見た目には、流れが分かりませんが)。
対岸は、セルビアの山々です。

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対向車線から、一人のサイクリストがやってきました。わざわざ、こちら側の反対車線まで、渡って来てくれました。
ドイツ人青年で、黒海沿岸ブルガリアのブルガス Burgas という町から、ベルリンまで、「鉄のカーテン」サイクリング・ロードというのを走っているそうです。
「仕事があるので、自転車でベルリンまでは行けないでしょう」
と言っていました。
余りサイクリストには会わなくなってきたので、たまに出会うと、旧知に出会ったような親密さです。
お互いの来た道についてなど、情報交換をしました。

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そしてまたドナウ川。向こう岸は、セルビア。

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お昼になりました。Coronini というところに、ちょうどよいレストランが出てきました。

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ドナウ川沿いの、景色のよいレストランです。

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映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のタイトル・バック風写真を一枚。

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食べるのは、相変わらず、豚肉とトマト・サラダ。

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対岸(セルビア)左端に、ゴルバッツGolubac の要塞が見えます。この辺りから、ドナウ川は、120kmにわたって、トランシルヴァニア・アルプスを横切って流れます。景色は峡谷の間を流れるドナウ川となります。

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途中の村の老婦人。

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ドナウ川の島。

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峡谷とはいえ、幸い、これまでの川沿いの道は平坦です。向こう岸は、セルビアです。川幅が広くなって、大きな湖のようになったり、狭くなって峡谷になったり、変化に富んだ、美しい景色が続きます。

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景色は、南仏海岸を思い出させます。道は、最近新しく舗装されたもののようです。そのうち、観光名所となるでしょう。

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珍しく、「ドナウ川を歩く会(?)」に出会いました。お互い、写真の撮りあいです。

つづく

69 ルーマニアのホテル事情, Liubucovaにて

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美しい景色が続きます。

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ドナウ川の観光船。おそらく、ウイーン・黒海間を航行する船ではないでしょうか。
ドナウの河口では、フランスから来た観光船に会いました。

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Liubucovaという場所に、ポツンと一軒立つホテルがありました。きょうは、ここに泊まることにします。
ホテルの前のテラス。

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トイレ・シャワー付きシングル・ルーム。これで、100レイ(約2,500円)です。

ルーマニアでは、黒海沿岸以外、ほとんど、キャンプ場はありません。また、次のホテルのある町までの間隔が長くなります。時によっては、自転車で、ホテルのある、次の宿までたどり着けない場合も出てきます。ツーリズムというものが、まだ、発達していないのです。
サイクリング・ロード・マップ bikelineは、従って、ルーマニアでは、そういう場合に備えて、輪行したり、テント等キャンプ用装備を持参することを勧めています。

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泊まった部屋から覗いたドナウ川。

ヨーロッパでは、一般的に、ワイルド・キャンプは禁止されています。ワイルド・キャンプとは、キャンプ場以外での、いわゆる野宿です。ルーマニアでは、これは禁止されていません。どこで、キャンプしてもいいわけですが、bikelineの注意事項として、ワイルド・キャンプする場合は、「人目につかない、一般道路から離れた安全な場所にテントを張る」ように勧めています。

とはいっても、いろいろ問題があります。トイレは、なんとかなるでしょう。シャワーはあきらめなくてはなりません。そのほかに、泥棒や野犬のことを考えると、キャンプ場以外の野宿というのは、恐ろしい気がします。2~3人位のグループで、一日だけというなら、なんとかできるかもしれません。

仮に、野宿するとしたら、どんなところが適切だろうかと考えながら、道の両脇を気をつけながら走ったこともありましたが、なかなか、快適で、安全な、いい場所はないものです。

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ホテルの姉妹?

そういうことで、私はテント・寝袋・マットを持参していますが、ルーマニアでは、原則ホテルに泊まることに決めました。セルビア・ルーマニア国境の警察官も、ホテルに泊まった方がよいとアドバイスしてくれました。また、余り長い距離を走らなくてもいいように、地図でホテル所在地を調べて、小まめに泊まっていくようにしました。

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この男の子は、上の写真の女性二人と兄弟姉妹だと思うのですが、確認しませんでした。
背景の建物は、ホテルのレストラン。ホテルのテラスにて。

ホテルの値段を、彼に聞いたら、百万レイだと言います。冗談か、きっとデノミでもあったのだろうと、驚きませんでしたが、後で調べると、2005年にデノミがあって、ゼロが四つ取れたそうです。従って、1,000,000レイというのは、100レイのことです。ただ、持っている金を見せろと言われたのには、驚きました。まだ、古い金が出回っているのでしょうか。

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夕食の前の一杯。ルーマニアのビール、Ursus。選ぶことができれば、これを、よく飲んでいました。

つづく