(1)日本出発

第一部 北海サイクリング・ルート 
Part One: The North Sea cycling route
(1)Departure from Japan

2012年5月15日が日本出発の日です。フライト・スケジュールは次の通りです。航空会社は英国航空です。
5月15日 成田発、ロンドン着
同日 ロンドン乗り換え、アムステルダム着

DSC024962a.jpg
成田空港で、出発を待つ間。

座席がインターネットで予約できたので往復とも予約しておきました(有料)。
英国航空の自転車の寸法規定は、190x75x65センチです。私の場合、高さが80センチとややオーバーしますが、問題ありませんでした。また、この超過運賃もインターネットで前払いできるので、払っておきました。往復で、7500円。

チェックイン・カウンターで「今日は満席なので、座席をアップグレードしました」と言われました。ビジネス・クラスか?と狂喜しましたが、エコノミーでも、プレミアム・エコノミーというのがあって、それでした。しかし、前席とのスペースが広く、隣席との間の肘掛も余裕があり、なるほど、アップグレードと言えるものでありました。

DSC024972a.jpg
機内の前席との間隔。

日本人の客室乗務員さんから、「どこへゆくのですか?」と尋ねられたので、かくかく云々と説明しました。あとで、途中で食べてくださいと、カップヌードル2個を持ってきてくれました。こんな親切は身に沁みます。

DSC024982a.jpg
肘掛。

ロンドン空港で乗り換えのフライトを待つ間、空港内のレストランで、お姐さんに「ヤキトリがおいしいよ」と言われて注文し、ビール二本を飲みました。

DSC025012a.jpg
ロンドン空港レストランのヤキトリ。レストランのお姐さんは、ヤキトリが日本のものと知っていたのでしょうか?

DSC025002a.jpg
同じくビール。これは、ベルギーのビールです。イギリスでは、よくジョッキでビールを飲みますが、イギリスの瓶詰ビールって、お目にかかったことがありません。あるのでしょうか?

さて、乗り換えも順調に行き、アムステルダム空港に降り立ったとき、ほろ酔い気分も真っ青に醒める、とんでもない問題が待ち構えていました。

つづく
 
スポンサーサイト

(2)シェンゲン協定の壁

第一部 北海サイクリング・ルート
Part One: The North Sea cycling route
(2)The wall of Schengen Agreement

ちょっと固い話になりますが、今回は「シェンゲン協定」についての勉強です。3か月以上のヨーロッパ旅行を予定していて、まだご存じない方は、必読です。

アムステルダム空港に降り立って、パスポート・コントロールの前に立って、パスポートを差し出した時です。係官が、私の到着を待っていたかのように、「エアチケットと見せてください」と言いました。インターネットの予約表を見せました。帰りのフライトは、8月27日、この日から106日後です。どういうルートを旅するのか、質問されたので、ありのままに答えました。当初のスケジュール通り、オランダ、ドイツ、チェコ、オーストリア、ドイツ、スイス、フランス、ドイツ、オランダのルートです。すると、すぐに、パスポート・コントロールの事務所前に連れてゆかれました。

係官と、いろいろ質疑応答がありました。そのうちに、電話を持ってきて、その受話器に出ろと言っています。電話にでると、受話器の向こうから、日本人女性の声がします。(顔は見えませんが、話し言葉からして、そうでしょう。)どうやら、シェンゲン協定に違反しているので、私の滞在は問題あり、というようです。何度か、受話器で私が話したり、係官が話したり、電話の日本人女性を通して、やりとりを続けました。

日本で航空券を購入した後、三カ月以上、シェンゲン協定国には滞在できないので、注意するようにと、旅行代理店から連絡を貰いました。私は、スイスは加盟していないものと思っていましたから、それを無視していました。ところが、スイスは、EU加盟国ではありませんが、シェンゲン加盟国になっていました。
シェンゲン協定
シェンゲン協定相関図。Wikipediaより。
スイスも、シェンゲン協定圏(いちばん左側)に入っています。
尚、Wikipediaによれば、シェンゲン協定とは、ヨーロッパの国家間において、国境検査なしで、国境を超えることを許可する協定です。ルクセンブルクのシェンゲンで署名された文書なので、こう呼ばれるそうです。

結論として、
1.帰国のアムステルダム発8月27日を、8月12日以前に、早めること。
あるいは、
2.イギリスのようなシェンゲン非加盟国に一旦出て、そこに2週間以上滞在して、また出直すこと。
というのが、アムステルダム空港パスポート・コントロールの勧告です。

係官に、EU加盟国とシェンゲン加盟国との比較表をパソコンから打ち出して貰い、「了解しました」と言って、ようやく、パスポート・コントロールを通過させて貰いました。随分時間が経ったので、荷物受け取りのコンベヤーの上には、私の荷物だけが回っていました。

シェンゲン圏
シェンゲン圏。イギリス、アイルランドや、東欧圏が加盟していません。Wikipediaより。
緑色が何を意味するのか、わかりませんが、ルーマニアとブルガリアに当たります。この二カ国は、まだシェンゲン協定に加盟していません。

さて、どうしようか?私の結論は出せないまま、雨の中、タクシーを拾い、重い気分でホテルに向かいました。

つづく

(3)シェンゲン協定圏外へ脱出!

第一部 北海サイクリング・ロード

decolorドイツ
当初の計画。
オランダ・アムステルダムを出発。北海沿岸を進み、ドイツに入ります。
エルベ川をさかのぼり、ハンブルク、マグデブルク、マイセンを通って、チェコに入ります。
チェコを南下、プラハを通り、オーストリアに入ります。
ウイーンからドナウ河を遡って、
リンツ、パッサウ、レーゲンスブルク、ウルムを通って、源流まで。
そこから、ボーデン湖経由、スイスに入ります。
スイスでは、フルカ峠の下まで登って、ライン河源流を訪れます。
源流から、ライン河を下って、河口のロッテルダムまで。
そして、アムステルダムに戻って、日本帰国です。

さて、困ったことになりました。アムステルダムのパスポート・コントロールで、「三か月以内の8月12日までにアムステルダムを出るか」「途中、イギリスのようなシェンゲン協定非加盟国に二週間滞在してくるか}のいずれかだと言われました。

8月12日といったら、ロンドン・オリンピックの真っ最中。切符が取れるだろうか?100日間の旅というのを変更するのも惜しい。イギリスに2週間といっても、サイクリング・コースにつては、ノー・アイデアだし・・・。良い考えが浮かびません。すっかり疲れてしまって、シャワーを浴びてから考えようと思った時です。今まで、パスポート・コントロールの言葉にこだわって、考えていましたが、アムステルダムは忘れて、いっそ、ドナウ河口まで行ってしまおうか?!とひらめきました。セルビア、ブルガリア、ルーマニアは、シェンゲン協定非加盟国です。また、当初案のウイーンから西周りでアムステルダムまでが、2,500キロ。ウイーンからドナウ河口までも、確か、2,000~2,500キロです。これで行ける!と決心がつきました。

この場合、問題が二つあります。

1.帰りの航空券が、アムステルダムーロンドンー羽田となっているのを、ブカレスト(ルーマニアの首都。ここに、ロンドン行きのフライトがあって、ドナウ河口から一番近い空港があります。)ーロンドンー羽田に変えなければなりません。予約できるかどうか?これは、明朝アムステルダム空港へ行って、聞くしかありません。

2.ブカレストは、ドナウ・サイクリング・コースから外れています。ドナウ河口からブカレストまで、どのように行くか、まだ、よく検討していません。また、ウイーンから先の地図がありません。これは、道々、現地でなんとかなるでしよう。

Avrupa_Fiziki_A1.jpg
変更案。(これは、実際走ったコースなので、変更案とは多少異なります。)
オランダ・アムステルダムから、オーストリア・ウイーンまでは同じコースです。ウイーンから西へ向かうのが、当初の計画。ウイーンから東へ向かうのが、変更案で、これが大きな違いです。
シェンゲン加盟国の東端ハンガリーは、2か月くらいで、出ることができるでしょう。

チューリッヒからドナウ河口まで行くというのが、今年初めの計画でした。出発点がアムステルダムとチューリッヒと、異なりますが、もし、これが実現できたら、こちらの方が、望ましいわけです。運命の分かれ道は、明朝の英国航空次第です。

これで、一安心。長い、長い一日を終えて、ようやく、ベッドにはいりました。

つづく

(4)黒海へ!ドナウ河口へ!

第一部 北海サイクリング・ルート
Part One: The North Sea cycling route
(4) To the Black Sea! To the Danube Delta!

朝、8:30にホテルからアムステルダム空港に向かいました。英国航空の切符売り場カウンターを探し、事情を説明して、8月27日アムステルダムーロンドンのフライトを、8月26日(ロンドン乗り換えを考慮して前日に変更)のブカレストーロンドンのフライトに変えたい旨申し込みました。
「午前と午後があります。どちらがよろしいですか?」
「午後にしてください」
「追加料金210ユーロ(約21,000円)かかります。いいですか?」
「いいです」
あっさりと予約が取れてしまいました。

DSC02503.jpg
写真を撮る余裕もでてきました!アムステルダム空港内に展示してある、木靴の模型。

これで、万事OK! いよいよドナウ河の源流、トゥルチャまで行けます!ドナウ河の0メートル起点スリナの灯台も見ることができます。このブログによく登場願っている、神戸のSさんが果たせなかった夢をかなえる時がきました!私に、この「ヨーロッパ自転車のんびり旅」を実行するきっかけをつくってくれた方です。以前から、自分のかわりに行ってほしいと言われていました。
私自身、ドナウ河をブダペストまで2回走りました。その先には、なかなか足を運べませんでした。川の流れを愛するものとして、是非その終末を見てみたいものです。いよいよ、その先を走る時が今、決まったのです。今、思うと、この時のほうが、スリナの灯台を見た時よりも、気持ちが高ぶったかもしれません。

喜び勇んで、ホテルに戻り、遅い朝食を食べました。

つづく

(5)アムステルダム空港ホテル

第一部 北海サイクリング・ロード
Part One: The North Sea cycling road
(5) Hotels at Amsterdam airport

自転車の出発まで、遅々として進まず、すみません。アムステルダム足止め状態の話はこれが最後です。

日本出発前に、アムステルダム空港近くのホテル予約をしました。シャトルバスのある中級クラス・ホテルの中で、remco hotel amsterdam city west というのが、一番安かったので、ここをインターネットで予約していきました。一泊、69ユーロ(約6,900円)。

250px-Schiphol-plaza-ns.jpg
アムステルダム・スキポール空港。写真はWikipediaより。

空港のホテルのシャトルバス乗り場へ行きましたが、行き先の看板に、この名前がありません。バスの案内人に尋ねると、ここへ行くシャトルバスはないので、タクシーで行って下さいとのことでした。やむを得ずタクシーを拾って、ホテルへ行きました。料金30ユーロ(約3,000円)

インターネットの案内では、シャトルバス有りと書いてありました。おかしいなと思って、ホテルに着いて、レセプションで尋ねると、シャトルバスはある、但し、予約が必要で、片道16ユーロ(約1,600円)だということでした。到着の翌日、帰りのフライト変更のために空港へ行くので、5月16日08:22のバスを予約しておきました。翌朝、迎えに来たのは、普通のタクシーです。料金は16ユーロ。

また、フライトを変更して空港からホテルに戻る際は、コレスポンダンス・バス(正確な名前は忘れました)とかいうのがあって、空港の一番はずれに、その切符売り場があります。そこで、16ユーロの切符を買って、コレスポンダンス・バス(?)乗り場でバスを待ちます。今度は、タクシーではなく。普通のバスで、いくつかのホテルを巡回して客を降ろしてゆくものでした。

このホテルに泊まって、空港との行き帰りの交通費(30+16+16)を入れると、131ユーロとなりました。イビスやホリデイインは自社のシャトルバスがあり、無料で、ホテル代は90ユーロ前後です。安いと思って予約したのが、割高になってしまいました。

また、上述ホテルに初めて入ったとき、ロビーにバックパッカーのような若者が、たくさんたむろしていたのが、異様でした。鍵を貰って部屋に入ると、汗の臭いが鼻をつきました。部屋は、ツイン・ベッドのまあまあの広さですが、窓際に、二段ベッドが置いてありました。おそらく、一部屋に四人泊まって安上がりにできるという類のホテルのようです。結局、実物が見えないホテルを予約するときは、ある程度名前の通ったところのほうが信頼できると思いました。

つづく