ドナウ河サイクリング・ロードに出会う イメンディンゲン・キャンプ場

6月21日(アムステルダム出発から32日目) ルートヴィヒスハーフェンを出発して、トゥットリンゲンで、ドナウ河に出ます。そこから、ドナウをさかのぼって、イメンディンゲンまで行きます。「ライン・ドナウの旅」も、第一部 ラインの旅が終わり、きょうから、第二部 ドナウの旅に入りました。

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ホーエンツォレルン・ロード(オレンジ色)の標識。
2005年に初めて、自転車で、ドナウの旅をしました。「ラインの旅」と「ドナウの旅」のサイクリング・ロード・マップは持っていましたが、ルートヴィヒスハーフェンから、ドナウ河に出るサイクリング・ロード・マップはありません。その時は、自転車用道路標識が、こんなに整備されているとは知りませんでしたから、一般の道路地図で土地名を頼りに走りました。随分と迷った記憶があります。そういうことがあったので、今回は、ルートヴィヒスハーフェン辺りを走っているとき、自転車道路標識に気を付けていました。そうすると、ホーエンツォレルン・ロードというサイクリング・ロードがあって、これが、ドナウ河畔の町、トゥットリンゲンまで行っているようです。これに従って、行くことにしました。

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きょうの行程付近の地図。右下の青いのがボーデン湖。その最北端に、ルートヴィヒスハーフェンがあります。上の蛇行している青い線がドナウ河。その河畔のトゥットリンゲン Tuttlingen(赤丸のひとつ)を目指します。直線距離にして、30キロ程度。一番左側の赤丸、ドナウエッシンゲン Donaueschingen が,ドナウ源流です。

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峠をいくつか超えます。三時間くらい、身体を斜めにして、自転車を押し上げて、歩きました。

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峠のひとつに、奇妙な十字架がありました。このような説明が書いてあります。「エミンゲンのペストの十字架。三十年戦争の1630年ころに初めて、村の四つの出口に、立てられた。ペストが流行しないようにとの祈りと、ペストに対する旅人への注意のためであったろう。」
ペストの十字架もさることながら、有難いのは、自転車道路標識が、しっかり立っていることです。「ユーロヴェロ6」の標識も、ルートヴィヒスハーフェンから、トゥットリンゲンまで、併記されていました。日本に帰ってきてから、調べたら、このルートが、ボーデン湖からドナウ河に抜ける、「ユーロヴェロ6」の道になっていました。

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とうとう、トゥットリンゲンの町が見えてきました。この「ライン・ドナウの旅」の最大の難関を突破しました。

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イメンディンゲンのキャンプ場。「ドナウの旅」は、源流からスタートしますので、トゥットリンゲンから、源流のドナウエッシンゲンまで、ドナウ河をさかのぼります。しかし、きょうは、峠越えをいくつもして、疲れたので、途中のイメンディンゲンのキャンプ場に、テントを張ります。ここは、無料のキャンプ場です。その代り、トイレと洗面台はありますが、シャワーがありません。
それでも、無事、ドナウ河に到達したという安堵感、達成感の喜びは、大きいものがあります。きょうの走行距離:46キロ。アムステルダムからの累計:1,680キロ。
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ドナウ河サイクリング・ロード、ドナウ源流 ドナウエッシンゲン

6月22日(アムステルダム出発から33日目) イメンディンゲンから、ドナウエッシンゲンまで。

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イメンディンゲン(赤字)から源流のドナウエッシンゲンまで、さかのぼります。

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イメンディンゲンのキャンプ場で会った、スロベニアの若い夫婦と四人の娘。一番小さい娘は、トレーラーに乗って、下から二番目は後ろの荷台に乗って、大きい二人は自転車で、この日は、100キロを走ると言っていました。驚きましたが、女の子もそれなりに、たくましくも見えます。「ヨーロッパは(東欧の人も、西欧をヨーロッパと言うのでしょうか)、車が人に優しいので、走りやすい」と言っていました。「それは、日本から来ても同じです。」
背景に見える白い建物の、右側がトイレ、左側が、飲み物を売っているスタンドです。昨日、到着したとき、ここで飲んだビールが、最高でした。

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家族連れのトレーラー。

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フランス人夫妻サイクリスト、バンビ―とアラン。
2005年には、ここで、フランス人夫妻に出会っています。詳細は、カテゴリ:「装備・地図」の「ヨーロッパ自転車旅行地図」に紹介してあります。後日連絡を貰いましたが、フランス大西洋岸のナントから、トルコのイスタンブールまで、5,200キロを、三か月半で完走したそうです。

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朝食に、私が、コーヒーを飲んでいないのを見て、「コーヒーを飲まないのか?」と驚いて、私に、コーヒーを注いでくれました。それからすぐに、湯沸かし器とコーヒーを買いました。

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最終目的地は、イスタンブールだそうです。やっと、ブダペストまで行くことに決めた私は、うらやましくて、たまりませんでした。

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ドナウエッシンゲンのドナウ源流の泉

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母親が娘のドナウに、これから行く道を指し示しています。

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回りの壁に、海抜678メートルとあります。

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海(=黒海)まで、2840キロとあります。

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斉藤茂吉の歌碑もあります。茂吉は、1924年、ミュンヘン留学時に、ここを訪れています。「ドナウ源流行」という紀行文を残しています。

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ドナウ源流の泉は、上の地図のドナウエッシンゲン(赤丸)にあります。泉から、地下を通って、この写真のところで、ブリガッハ川に注いでいます。

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ドナウエッシンゲンのキャンプ場 Riedsee Cmping Donaueschingen は、大きいキャンプ場で、道に、通りの名前が付いていて、標識も立っています。一人一泊:10ユーロ。きょうの走行距離:35キロ。アムステルダムからの累計:1,715キロ。

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このキャンプ場で会った、ベルギー人。二人とも70歳近いと思われます。一日100キロくらいのペースで、ベルギーのアントワープから、ハンガリーのブダペストまで行くそうです。右の方の持っているバッグが良く出来ているので見させて貰いました。ヨーロッパのサイクリストを見ていると、大体、これと同じものを持っていました。後日、私も、同じものを買いました。後ろの垣根に立てかけてある自転車が、私のものです。

ドナウ河サイクリング・ロード、ブリガッハ川の源泉をたずねて

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この図のように、ドナウ河は、ブリガッハ川とブレーク川が、ドナウエッシンゲンの少し先で、合流して、そこから、ドナウ河という名前になって、流れています。ブレーク川の源泉は以前に、車でですが、訪れたことがあります。2005年に、ここを自転車で訪れた際に、ブリガッハ川の源泉に足をのばしてみました。ザンクト・ゲオルゲンという町の先にあります。ドナウエッシンゲンから、往復で、94キロでした。

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ブリガッハの源泉。農家の庭先の池という感じで源泉はあります。

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ブリガッハの源泉。

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ブリガッハの源流から、数キロ下流の流れ。

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ドナウエッシンゲン(ブリガッハ源泉から45キロほど下流)を流れるブリガッハ川。この下流2キロほどのところで、ドナウ源流の水が、ブリガッハに注いでいます。

ドナウの源流 ブレーク川とブリガッハ川

6月23日(アムステルダム出発から34日目) いよいよ今日から、ドナウ源流から、ドナウ河畔を下って、ハンガリーのブダペストに向かいます。7月31日、ブダペスト発のフライトを予約してあります。7月下旬に、ブダペストに着けば、十分、間に合います。距離は、ここからブダペストまで、1,600キロほどあります。まだ、40日近くありますから、一日平均40キロのペースで行けば、よいことになります。これまでは、33日間で、1,715キロを走ってきています。一日平均52キロのペースでした。もっと、ペースを落として、よいことになります。きょうは、ハウゼンという村のキャンプ場に泊まる予定です。

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この地方は、カーニバルが盛んらしく、あちこちで、カーニバルの道化の像を見かけます。これは、ドナウエッシンゲンの町の真ん中にある、道化の像と噴水です。日本語の説明までありました。「ドナエッシンゲンのハンゼルは、この町におけるバール地方ファスナハト(カーニバル)風俗の最も古い伝統的ナロ(愚者)像です。麻布でできた白ナロの衣装には中世時代のナロのシンボルが描かれ、ナロの鈴が跳躍の弾みで響くようになっています。」

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左からブリガッハ川、右からブレーク川が流れてきて、ここで合流します。ここから、ドナウ河という名前になって、前方へ流れていきます。2,840キロ先の黒海に注ぐまで、大小300もの支流を集めた大河となって、流れてゆきます。なお、ドナウ河だけが、その長さを、源流から何キロと数えるのではなく、河口から何キロと数えます。

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合流点にある石像。ドナウ源流は、フュルステンベルク家のお城の庭にあります。この石像は、その当主の1939年の金婚式を記念して建てられたものです。

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フュルステンベルク家のお城。この左側に、ドナウ源泉があります。

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ガイジンゲンのメイン・ストリート。

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イメンディンゲン駅に、サイクリング・ロードのための、素晴らしい跨線橋があります。

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イメンディンゲン駅の跨線橋。左側から上ってきて、ここが踊り場です。

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踊り場には噴水もあります。

ドナウ河サイクリング・ロード、ドナウの浸み込みとアーハの源泉

6月23日(つづき) イメンディンゲンの無料キャンプ場を過ぎると、ドナウ河に不思議な現象が起こります。

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源流から流れてきた、ドナウ河です。源泉から26キロの地点です。

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だんだん水が少なくなっています。

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このあたりになると、水が、ゴボゴボと音を立てて、地中に吸い込まれています。

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とうとう、川底が干からびてしまいました。案内板によれば、1年のうち、夏の155日間だけ、この浸み込み現象が、おきると書いてありました。ほかにも何か所か、浸み込み現象が、起きるところがありますが、ここが、一番激しいと地元の人が教えてくれました。但し、雨の多いときは、川底が乾燥するのを、見ることができません。私は、ここを、自転車で三回訪れました。2005年と2008年は、川底が完全に乾燥していました。2010年は、ほとんど毎日、雨が降っていて、ドナウは急流となって、流れていました。

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ドナウの浸み込み。浸み込んだ水は、どこへゆくのでしょうか?次の地図と絵が、それを説明しています。

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イメンディンゲンで浸み込んだ、ドナウの水は、14キロメートル東南にある、アーハで、泉となって湧いてきます。イメンディンゲンの標高:652メートル、アーハの標高:470メートル、182メートルの落差があります。その間、14キロの距離を60時間で流れてくるようです。これを、図解したのが、下の写真です。

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イメンディンゲンのドナウの浸み込みとアーハの源泉。このアーハの源泉が、どこへ流れてゆくかというと、ボーデン湖にアーハ川となって注いでいます。ボーデン湖は、ライン河となって流れ出ます。イメンディンゲンの観光案内書には、こう書いてあります。「完全な浸み込みが、起こった場合、ドナウ河はライン河の支流となります。そのときは、足を濡らさずに、川床を散歩することができます。」

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2005年には、アーハの源泉も訪れました。ドイツ最大の源泉と書いてあります。

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アーハの源泉